最近はヒマさえあれば円周率を覚えている、なんか惜しいぜ、押居A太です。
おしゃれな人というのは、その佇まいまでおしゃれだ。例えば、ボクの会社の先輩、出利慶人さん。
立ち振る舞い、言葉遣い、ファッションはもちろん、コーヒーの飲み方までなにかが違う。
そしてかの住まいこそ、粋人住むと人のいう、デザイナーズマンション。
その出利さん宅だが、すぐにココとわかる建物だった。
たまたま旅行中の家族が通りかかれば記念に一枚撮ってしまうだろう。
まるでココだけ時間が早く進み、突如未来がやって来た、とでもいうような色と形。
…おらは、見たダヨ。突然窓一面のカーテンが開かれると光に包まれて、気づいたらオブジェのようなインテリアが現れたダヨ。
「…落ち着けよ、A太。まあ、座って」。
…先輩、この椅子、座り方が分かりません。
部屋はトリッキーな間取りだが機能的。お酒好きの出利さんらしく、リビングはバーカウンター併設だ。
部屋は人を表現する。それもデザイナーズマンションというキャンバスがあれば、なんだっておしゃれに描き出す。
出利さんが最近ハマっているというサイクリングもしかり。
コンクリート打ちっぱなしの壁にかけられた極細フレームの自転車も、この部屋にあっては“おしゃれアイテム”に変身する。
ボクは自宅へ帰ると、壁のアイドルカレンダーをおもむろにはがし、おしゃれ部屋計画にとりかかる。
エンジ色したボクの相棒、THEママチャリ号は、もちろん壁にディスプレイ。
…なんだ、この混沌は!?